前回に引き続き、24ルビアスのインプレッションです。
本文は分解・組付けにあたっての機構確認段階での印象です。
実釣の使用感については記していませんので悪しからずでお願いします。
結論から言うと、分解前にもお話した“ギア比変更”と“エアードライブローター搭載”を除くと、全体的に前回からの大きな変更点は見受けられませんでした。
ボディ形状、機構、ギア(ギア比に応じた変更はあり)など、基本的には前作と同様のようです。
一点、あまり目立たないですが、今回変更された小さい部品について深堀してみようと思います。
24ルビアスでは、ローターナットカラーの樹脂製への変更が確認できました。
といっても樹脂製カラーは、シマノでは22ステラ、ダイワは24セルテートからすでに採用されているものです。
パット見地味な部品ですが、こちらの部品が樹脂製になることによって、オシレーション(スプール上下運動)時のノイズ低減効果が見込まれます。
従来機種の金属製カラーでは、同部品とシャフトの間に塵や金属粉が付いた場合にノイズを拾いがちで、とくに17スティーズなどでは、その傾向が顕著なため調整に難儀をしていました。
樹脂製カラーの採用は、ノイズレスな巻き感に向けた小さいですが、実は従来と一線を画す変更だといえます。
以前より、当社チューンの際には、一部機種にて純正の金属製から自社で開発した樹脂製に換装しています。
ただし、この樹脂製カラー、金属→樹脂にすればよいというほど単純ではないのです。
まず、ベアリングに固定されシャフトに接する部品ですから、素材に応じ内外径を決め、高精度で製作する必要があります。
また、部品の高さによってシャフトと接する面積が変わるため、やはり素材に合わせて巻き感の軽さと滑らかさを秤にかけて寸決めします。
そして素材の硬さです。シマノ・ダイワ製ともに繊維の混合が見受けられる硬い素材となっています。
上でお話しした通り、ノイズの低減には柔らかい材質が有利ですが、部品耐久性では硬質なものが勝ります。
などなど、機種によっては樹脂製であることがかえって異音の原因になりうるという、意外とややこしいパーツなのです。
ですから、24ルビアスのカラーを従来機種に流用しさえすればよい、かどうかは微妙なところです。
当社でも、諸条件に鑑みつつカラーの試作を重ねてきたのですが、つい最近、ようやく新規格が製作ができました。
これにより、近年の機種はシマノ・ダイワ製問わず、おおよそすべて換装可能となっております。
ダイワ製は12イグジスト~、シマノは少なくとも10ステラ~適合可能です。
メーカー純正で樹脂カラーが採用されているモデルでは、必ずしも換装の必要はありませんが、上記のように施工時には異音の原因を切り分けたうえで、必要に応じ交換させていただきます。
・・・そんなこんなで、ほとんどローターナットカラーのお話になってしましたが。
また新たな発見があれば、追記したいと思います!
やはりモデルとしての大きな特徴、もしくは前作との差別化点は、エアードライブローターの採用とギア比の平準化ということになるかと思います。
こちらはリールを手にしてもらえればおそらく体感できるはずなので、ぜひ機会があったら手に取ってみてください。
逆に言うと、前作20ルビアスのスペックはLT小番手モデルにて、未だその独自性を保っているとも言えます。
お持ちの方は引き続き大事にご使用いただき、従来機種も新機種もチューン・OHの折にはLEVITATION ENGINEERINGにお任せください!